例祭の暦 ~麒麟獅子を巡る~
「麒麟」とは、古来より、他の生き物を傷つけない泰平の世の象徴とされた霊獣のこと。
麒麟のまち圏域(鳥取県東部・兵庫県北但西部)の1市6町には、この麒麟に扮して舞う「麒麟獅子舞」が伝承されています。
麒麟獅子舞は霊獣・麒麟をかたどった獅子頭を被り、蚊帳と呼ばれる胴幕に大人二人が入って舞う二人立ちの獅子舞で、多くは一頭で地を這うようにゆっくり頭を回したり、ひねったり、伸び上がるような動作が特徴的。
麒麟獅子舞の頭は面長で、額に角、直立した耳を持ち、ねむり獅子の異名があるようにまなこを閉じており、鼻の穴は天上に大きく開き、どことなくユーモラスな表情となっています。
また、獅子舞には天狗などの獅子のあやし役がつきますが、麒麟獅子舞は、赤い面・衣装・髪の「猩々」がつくのが特徴で、長さ1.5mほどの赤い棒を持ち、麒麟獅子を先導したり、緩やかな動きで舞ったりします。
