鳥取城跡 「日本(ひのもと)にかくれなき名山」に築かれた城
鳥取城跡(久松山)は、戦国時代の山城を起源にした城跡です。防御性の高さや、山頂からの優れた眺めから、「日本(ひのもと)にかくれなき名山」と評され、織田信長は「堅固な名城」と讃えました。
鳥取城は、歴史的に著名な羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)の兵糧攻めの舞台になり、江戸時代には姫路城を築いた池田輝政(いけだてるまさ)の孫・光政(みつまさ)が、「国内12番目」の石高を誇る鳥取藩32万石の平山城として拡張整備しました。整備には、現存する姫路城大天守の築城に携わった職人たちが起用されたことから、「姫路城の弟城」とも呼ばれています。
(2025年4月27日更新)

お城マニア必見のスポット「城郭の博物館」鳥取城跡
久松山の山麓を利用し、平山城として整備された山下ノ丸(さんげのまる)は、鳥取藩32万石の居城だったころの面影を今に伝えています。また仁風閣や県立博物館など近代以降の都市の記憶も残っています。
一方、久松山の山頂に広がる山上ノ丸(さんじょうのまる)は、山城としての高い防御性と眺めの良さを兼ね備えた戦国時代から江戸時代初めの姿を今に伝えています。険しい山登りの末、天守のあった頂に立てば「日本にかくれなき名山」と称された理由が実感できます。
また、東には、兵糧攻めに際し、羽柴秀吉が本陣を構えた本陣山を、鳥取城を守った吉川経家が見たであろう姿のまま、今も望むことができます。
このように、鳥取城跡には、その歴史の長さから戦国時代から今日に至るまで多様な城の姿を残しており、日本城郭の歴史を物語る「城郭の博物館」と呼ばれています。
戦国・小和田チャンネル「猪目石を探して」(YouTube)
数多くの時代考証や歴史番組での解説を担当されている静岡大学名誉教授、公益財団法人日本城郭協会理事長の小和田哲男先生の公式チャンネルで、鳥取城跡の 「猪目石」について語られています。
Column
♥型の魔除け 猪目石
猪目とは、猪の目を模して図案化した♥型の文様で、日本では古くから魔除けとして用いられました。中ノ御門(大手門)前に位置する猪目石は、門が創建された元和7年(1621)に設置されたものです。この場所は、二ノ丸の藩主御殿入口から南西の裏鬼門にあたり、城内に災いが入らないように魔除けとして設置されたと考えられています。
一方、鳥取城の北東には、歴代藩主が鬼門鎮護の寺として庇護した摩尼寺(鳥取市覚寺)があり、本尊は鳥取城に正対し今も鳥取城を見守っています。

国史跡 鳥取城跡 中ノ御門が完成!
2021年8月より復元工事に着手した史跡鳥取城跡中ノ御門渡櫓門が、2025年3月に竣工しました。
2021年3月に完成した中ノ御門表門に続き、今回の中ノ御門渡櫓門の竣工によって、江戸時代の鳥取城の大手門であった中ノ御門全体が完成したため、それを記念した開門式が2025年4月26日(土)に実施されました。
次々と復元されていく鳥取城跡に目が離せません!
Column
擬宝珠橋から中ノ御門を通って城跡内へ行くことができるようになりました!
中ノ御門が完成しましたので、擬宝珠橋から中ノ御門を通って城跡内へ行くこともできるようになりました。また、今まで通り、宝珠橋から鳥取県立博物館方面からも城跡内へは入れます。
おすすめは、昔の藩主のように擬宝珠橋~中ノ御門を通る、大手登城路です。天球丸や巻き石垣を目指して進むと石垣が立ち並び撮影スポットとしても絶景です。

「御城印」と全国でも珍しい「武将合戦印」
御城印「鳥取城」と「太閤ヶ平」
「鳥取城」の使用家紋は、江戸時代の鳥取藩主であった鳥取池田家の代表的な家紋である「丸に揚羽蝶」と「角輪紋」とともに、揚羽蝶の羽ばたきに似せた鳥が飛翔する図案となっています。「角輪紋」は、鳥取藩を構成する因幡(鳥取県東部)と伯耆(鳥取県中西部)を意味し、鳥取池田家が推奨した文武両道の精神を表していると言われています。
この図案は、鳥取城が「今日の鳥取県の礎となった大切なシンボル」であること、鳥取池田家が「文武両道の精神」を推奨していたことを再び認識し、令和以降の次世代にも伝えていきたいという思いが込められています。
「太閤ヶ平(たいこうがなる)」は鳥取城の附けたりとして鳥取城跡と共に国史跡指定を受けており、羽柴秀吉が鳥取城を攻める際に築いた本陣跡です。
武将合戦印「天正9年鳥取城の戦/吉川経家×羽柴秀吉」
武将合戦印は合戦名「天正9年鳥取城の戦」と武将名4名「吉川経家、羽柴秀吉、織田信長、毛利輝元」で家紋は各武将家のものとなっております。
中ノ御門完成記念 プレミアム御城印「鳥取城」製作・販売について
販売日時:2025年4月26日(土) から販売開始
販売数 :1,000枚限定(1人1枚)
販売価格: 1枚1,000円(税込)
製作者 揮毫:書家 柴山抱海(しばやまほうかい) 氏(市内在住、鳥取県書道連合会 会長)
専用封筒イラスト制作:イラストレーター伊吹春香(いぶきはるか)氏(市内在住)
販売所 :以下の3箇所で販売します。
<販売箇所>
鳥取市東町2丁目121(仁風閣前庭内)
電話:0857-26-3595
営業時間:9:00 ~ 17:00
定休日:月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌平日、年末年始
※「仁風閣 長期休館のお知らせ」仁風閣は2023年12月29日(金)より文化財保存修理工事のため長期休館しています。
鳥取市上町88
電話:0857-23-2140
営業時間:9:00 ~ 17:00
定休日:月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌平日、年末年始
鳥取市末広温泉町160(鳥取駅北口より徒歩約5分)
電話:0857-36-3767
営業時間:9:00 ~ 19:00
定休日:12月31日、1月1日
鳥取城跡・仁風閣展示館
Column
全国唯一の球面石垣「巻石垣」
天球丸の石垣に築かれた「巻石垣」は、背後の石垣崩落を防止することを目的に、文化4年(1807)頃に整備されたもので、平成24年(2012)の春に復元したものです。城郭に用いられたものとしては全国唯一の大変珍しいものです。江戸時代、球面の石垣は、河川の護岸や堤防などを築く際に用いられ、「巻石垣」は、こうした技術が用いられてたと考えられています。
なお、この「巻石垣」のことを「天球丸」と誤解される方も多いですが、「天球丸」とは背後の石垣で区画された敷地の名称で、江戸時代の初め頃に天久院(のち天球院)の居所があったことに因むものです。

「日本100名城スタンプ」押印場所について
「日本100名城スタンプ」押印をご希望の方は下記の場所で対応しています。
電話:0857-26-3595
営業時間:9:00 ~ 17:00<月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌平日、年末年始は休館>
◆鳥取城跡仁風閣 展示館が休館で、鳥取県立博物館が開館している場合は、「鳥取県立博物館」受付<電話:0857(26)8042※月曜休館>で押すことができます。
②鳥取市役所本庁舎
鳥取市役所代表電話:0857-22-8111
電話:0857-36-3767
営業時間:9:00 ~ 19:00<12月31日、1月1日は定休日>
鳥取城跡周辺を案内するガイド情報
羽柴(のちの豊臣)秀吉の兵糧攻めで有名な鳥取城。戦国時代の山城を起源に江戸時代は国内12番目の石高を誇る鳥取藩の居城。鳥取城跡・久松公園(大手登城路の擬宝珠橋・中ノ御門表門(大手門)、二ノ丸、天球丸)など見どころも満載です。
また、その城下町としての名残も市内中心部に残っております。当時に思いを馳せながら歩いてみてはいかがでしょうか。
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